漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「陽」の漢字 A ray of sunlight. 〜一筋の陽光〜

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・人の精気をみなぎらせる力

この字の読みは、右の「昜(ヨウ:you)」からきていて、

台の上に玉を載せて、その下から光が放射している様子だそうです。

 

玉の光には、人々の中にある「精気」を活発にして、

そのエネルギーのようなものを盛んにする働きがあると、

古代から考えられていたようです。

これを、「魂振り(たまふり)」と言います。

パワーストーンなどがよく売られていますが、

最近の商いではなく、

いにしえからこの考え方が人々には定着していたようです。

左の「阝(ふ)」は、神が天上から降りてくる梯子を示していて、

その梯子の前に玉をおくことから、

神のご威光を表す言葉として「陽」が生まれました。

 

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合わせると、こんな感じでしょうか。

 

この字の読みは、

ヨウ(you)、あたたかい(atatakai)、ひ(hi)、いつわる(itsuwaru)
で、いつわるは、「佯(you)」という字の音との共通点から、

そのように読まれることがあります。
どのような偽り方かというと、「見せかけ」や「取り繕う」こと。

そう言うとわかりやすいかもしれません。

狂ったかのように見せかけることを「陽狂」といい、

取り繕って言うことを「陽言」と言います。

 ※白川静 常用字解から引用。

 

・「陽」も「陰」も、「氣」。

物事には、「陰」と「陽」があります。

どちらかの量が多すぎると、バランスを崩してしましますが、

人間はどちらかというと、「陽」を好みます。

暗いところから生まれてきたためとも言われますが、

その場合、性格などを表すので、

「明暗」と表現する方がいいでしょう。

「陰」も「陽」も、「氣」を表しています。

氣の持ち方と、性格とは似て非なるもので、

例えば、すごく面白い元気な芸を見せてくれるのに、

プライベートはひたすら暗いと言われる、芸人さんもいます。

それはひょっとすると、

光が心や視界に差し込む「陽」なる瞬間に、

「生きる」ことの確かさを見出しているからかもしれません。

 

重たく厚い雲に覆われているかのような時間が続くときが、

人生にはよくあります。

光がいつ差してくるのかもわからなくて、

もう疲れて歩みを止めてしまうこともあります。

黙ってそこにいても、陽は差してこないということを、

わかってはいるのに、できない時。

そんな時は、無理して歩かなくても良いと思います。

でも、いつかは歩くのだ。と、自分に誓っていれば。です。

そして、歩いてもいないのに、もし陽がさしてくる瞬間に出会えたら、

その時はまた、少しでも歩を進めてみましょう。

なぜなら、歩みを止めても、天は動いているのですから。

それが、「機」であり、「氣」です。

 

普段は、別ブログにこのテーマで書いているのですが、

思うところあって、こちらで書き進めてみました。

ブログもまだ始めたばかりなので、

どのように何を書けばいいのか。

勉強中です。

 

お付き合いくださって、どうも有難うございます。