漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「鷲」の漢字 An eagle was soaring high up in the air. 〜鷲が一羽空高く飛んでいた〜

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・バードアイ

シュウ(shuu)、ジュ(ju)、わし(washi)と読まれる、

形と音が合わさってできた文字です。

上の「就(シュウ:shuu)」は、音の元で、

元の字では、これが左にあり、右に「鳥(チョウ:chou)」と書かれています。

「就」は「高く造られた見晴台」、京観をいいます。

「京(ケイ:kei)」は、出入り口がアーチ状の都の城門で、

「尤(ユウ:yuu)」は、倒れている犬の形です。

京観は、完成の時に犬の血を降り注いで、祓い清めたことから、

これによって、京観の完成とする。ということで、物事が成就することを、

「就」といいます。

「鷲」は、中国でもヨーロッパでも、権力の象徴となる鳥とされてきたので、

この高く積み上げ出来上がった城門は「象徴的」であることと、

その上を高く飛び、旋回しながら、都と人を見降ろせる存在。

これが、「鷲」となりました。

※ 白川静 常用・人名字解より一部引用

 

鷲と鷹の違い

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以前描いた鷲ですが、描いているうちに、

鷲なのか鷹なのかわからなくなりました。

調べてみると、こんな記述があり、

とてもわかりやすかったです。

serai.jpこの記事からの引用となりますが、

(1)タカは尾が扇状に広がっているものが多いのですが、ワシの尾は直線状で、外側には広がっていません。

(2)タカには独特の鷹斑(たかふ)と呼ばれる模様がありますが、ワシは入っていません。

(3)ワシは羽ばたいて飛ぶように見えますが、タカはめったに羽ばたかず、気流に乗って飛びます。

これはわかりやすい!!
でも、そんなに細かい差はないようです。

 

・この鳥が好きなわけ。

もう六年ほど前でしょうか。

個展に出す作品をどうしようか迷っていた時期がありました。

そんな時、友人から、こんな話があるんだよ。

と教えてもらった話が、こちらです。

matome.naver.jp

 

気づくと、じんわり泣いていました。

 

そんな敬意を込めて出来上がったのが、こちらでした。

 

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書も画も、この世に存在するあらゆるものへの敬意から、

筆が進められるものなのだな。と、痛感しました。

うーん。

もう少しまた勉強を深めて描きます。

 

・「鷲」の個性

この字に限らず、例えば「驚」や「撃」もそうなのですが、

文字の外側を「正方形」で捉えて、

なるべくパーツが中心にキュッと集まるように意識して、

組み立てるように書くと、うまくいきます。

「鳥」の点は、外に出すぎることが多いので、

14画目の末端のすぐ横を狙って撃つと、バランスが取れます。

 

本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。

 


鷲 eagle