漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「長」の漢字 take a long view of life. 〜人生を長い目でみる〜

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・ロン毛の爺さんのこと

チョウ(chou)、ながい(nagai)、かしら(kashira)、たけ(take)

と読まれる、佇まいや様子が文字になった象形文字です。

 

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こんな感じ。

 

美容室や床屋のなかった時代、

人は髪を伸ばし放題でしたから、年長であればあるほど、

ロン毛でした。

年長者はこの時代、尊い存在とされており、

氏族の大体の指導者は長老だったので、

この姿を横から見て作られた文字が「長」となります。

ただし、写真のように渋かったかどうかは別です。

 

これが人の地位などに使われるようになって、

責任を持ったり持たされたり、

組織を束ねたり束ねさせられたりする人を、

「かしら」といい、「長」がつくようになります。

※ 白川静 常用字解より一部引用

 

・時間は「夢中」によって忘れられる

成り立ちを見ると、「時間的」な要素から現れた目安を、

「存在」として変化させて現代に使われています。

たとえ、若くして「かしら」になろうとも、

時間内の事実をその身に染み込ませるスピードは、それぞれ違います。

おそらくは、「夢中になれた時間」というのは、

流れが速いので、その分詰め込む量にも違いが出てくるのでしょう。

どれだけ夢中になることができたか。

どれだけ夢中になることができるのか。

自分の目の前に置かれた課題の価値とは、

そういったところで決まってゆくように、僕は考えます。

大変シンプルですが、なかなか、それが難しい。

 

でも、夢中になる。ということが、

自分の中にあるすべての問題を解決してくれるであろう、

ささやかな光であるということは、

よく聞きます。

昨日観たこの番組でも、唸る場所がたくさんありました。

hh.pid.nhk.or.jp

友人が夢中になっていることを、理解できたような気がしました。

 

・「長」の個性

さて、この字ですが、

書くときにポイントがあります。

「5画目」の横に引く棒を「長めにじっくり」引きます。

4画目までを大きく書いてしまう人が多いので、

小ぶりに書くか、開き直って5画目を、

ずぅぅぅうぃ。っと長く引くか。

最後の右払いは少し勢いを見せるか、

これも少し長めに引くと、雰囲気が出ます。

 

夢中になれども、焦らないこと。

 

本日もお読みくださり、誠にありがとうございます。