漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「巳」の漢字 snake

 

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シ(shi)、やむ(yamu)、ああ(ah)、み(mi)

象形文字で、「ヘビ」の形です。

古代では、神を祀る祭祀において、「ヘビ」の形をした神が多かったので、

自然神を祀ることを「巳(シ)」と言い、

この行為のことを、「祀(シ)」と書きます。

我が国で馴染みのある使い方としては、

十二支を示す時に、六番目の「ヘビ」を「巳」と書きます。

時代劇で時刻を表す時に使われる、「巳の刻」とは、

午前10時頃で、またはその前後2時間を指すのですが、

「蛇」は「い」と読み、この読みの音を借りたのは良いのですが、

「い」は「亥」に配当されているので、「み」と読まれます。

紀元前1300年頃では、

「やむ」や、感動詞として「ああ!(多分、蛇を見たときの衝撃)と使われ、

「な」「の」などの終助詞(感動、禁止などを強調する役割の言葉)として、

「や」と使われていました。

※ 白川静 人名字解より一部引用


「巳」の個性

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人名漢字で、三画の構成です。部首は「コ」「キ」「おのれ」など。

楷書の場合もそうですが、

一画目の転折(カクンと下へ曲がるとこ)は、

少し内側に向けた方が、しっくりきます

ペン字の場合は、三画目を一画目の転折の真下あたりで跳ね上げ、

毛筆の場合は少し長めに引いてから跳ね上げるのが良いでしょう。

 

巳・已・己

似た漢字が三っつ。

どれも、人名では「み、い」と読まれます。

辞書では、左から、「み、い、こ」と読みが掲載されていますが、

人名にした時に混乱が起こるため、

便宜上では、読みが共通になっています。

出処や成り立ちはそれぞれ違っていて、

巳は、

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頭を上にした「ヘビ」の形。

已は、

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「耜(農耕具)」の形。

己は、

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「曲がった定規」の形です。

それぞれの意味合いや成り立ちは、後述したいと思いますが、

どの文字も、「立身」「単独」「規律」「明解」「加護」

をイメージします。

 

書道では、「ちょっと違う。は、だいぶ違う。」と言われていますが、

漢字そのものに書き方の違いがある場合は、

逆にその違いを強調して書きます。

意味合いは、大変重要であるし、

特に人の名前を書く時には、間違いがあっては大変失礼に当たりますので、

字は下手でも構いません。

しかし、綺麗に書かれた誤字のある氏名と、

文字に癖があっても、しっかりと正確に書かれた氏名とでは、

思いの伝わり方が全く変わってきます。

僕も、何度失敗したことか、、、。

そこは、フォントを使うにしても、

よくよく調べておきましょう。

 

今日は、この辺で。

本日もお読みくださり、誠にありがとうございます。拝

 

◆◇「巳」を含む名前における当ブログの過去参考記事◆◇

 

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