「巳」の漢字 snake
シ(shi)、やむ(yamu)、ああ(ah)、み(mi)
象形文字で、「ヘビ」の形です。
古代では、神を祀る祭祀において、「ヘビ」の形をした神が多かったので、
自然神を祀ることを「巳(シ)」と言い、
この行為のことを、「祀(シ)」と書きます。
我が国で馴染みのある使い方としては、
十二支を示す時に、六番目の「ヘビ」を「巳」と書きます。
時代劇で時刻を表す時に使われる、「巳の刻」とは、
午前10時頃で、またはその前後2時間を指すのですが、
「蛇」は「い」と読み、この読みの音を借りたのは良いのですが、
「い」は「亥」に配当されているので、「み」と読まれます。
紀元前1300年頃では、
「やむ」や、感動詞として「ああ!(多分、蛇を見たときの衝撃)」と使われ、
「な」「の」などの終助詞(感動、禁止などを強調する役割の言葉)として、
「や」と使われていました。
※ 白川静 人名字解より一部引用
「巳」の個性
人名漢字で、三画の構成です。部首は「コ」「キ」「おのれ」など。
楷書の場合もそうですが、
一画目の転折(カクンと下へ曲がるとこ)は、
少し内側に向けた方が、しっくりきます。
ペン字の場合は、三画目を一画目の転折の真下あたりで跳ね上げ、
毛筆の場合は少し長めに引いてから跳ね上げるのが良いでしょう。
巳・已・己
似た漢字が三っつ。
どれも、人名では「み、い」と読まれます。
辞書では、左から、「み、い、こ」と読みが掲載されていますが、
人名にした時に混乱が起こるため、
便宜上では、読みが共通になっています。
出処や成り立ちはそれぞれ違っていて、
巳は、
頭を上にした「ヘビ」の形。
已は、
「耜(農耕具)」の形。
己は、
「曲がった定規」の形です。
それぞれの意味合いや成り立ちは、後述したいと思いますが、
どの文字も、「立身」「単独」「規律」「明解」「加護」
をイメージします。
書道では、「ちょっと違う。は、だいぶ違う。」と言われていますが、
漢字そのものに書き方の違いがある場合は、
逆にその違いを強調して書きます。
意味合いは、大変重要であるし、
特に人の名前を書く時には、間違いがあっては大変失礼に当たりますので、
字は下手でも構いません。
しかし、綺麗に書かれた誤字のある氏名と、
文字に癖があっても、しっかりと正確に書かれた氏名とでは、
思いの伝わり方が全く変わってきます。
僕も、何度失敗したことか、、、。
そこは、フォントを使うにしても、
よくよく調べておきましょう。
今日は、この辺で。
本日もお読みくださり、誠にありがとうございます。拝
◆◇「巳」を含む名前における当ブログの過去参考記事◆◇