漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「子」の漢字 child

 

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シ(shi)、ス(su)、こ(ko)、おとこ(otoko)、きみ(kimi)

象形文字で、幼児の形です。

漢字史上、

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こちらが、「子」を意味する文字としては古いものです。

乳児の頭に毛が生えたもので、

生まれたての赤ん坊を表現していることから、

「男女間」から生まれた「子」というシンプルな関係性から始まっています。

こちらは、左右どちらかの手が上がっている文字。

 

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王子の身分を表します。

 

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時代背景からして、釈迦との関わりはないと考えられますが、

イメージとしては、こんな感じです。

中国では、この文字の原理的な意味合いから、

「おとこ、きみ、先生」の意味に使われます。

 

「子」の個性

youtu.be

小学校一年生で学習する、三画の文字です。

部首は、「こ」。

一画目の起筆は、

ちょっと右上がり(10度くらい)を狙うといいでしょう。

二画目は、活字と違い、少し長めに引きます。

一画目と二画目の高さの割合が1:2になると美しいです。

三画目は動画では行書で連続させ、

次の文字への準備のため丸め込んでいますが、

しっかりこれも10度右上がりに引きます。

左右対象ではなく、若干右が短くなるように引けると、

それっぽくなりますよ!

 

日本での「子」の使われ方

この漢字の使われ方は、日本語の場合、多岐にわたっています。

 

  • 名詞としての使い方 (息子、娘、児童、子供)、(時刻や方角)
  • 代名詞としての使い方 あなた(二人称)先生(三人称:子曰く。など)
  • 接尾辞としての使い方 (成年を含む表現:女子プロレスラーなど)、(中国の歴史上における先生:孔子孟子など)
  • 熟語としての使われ方 
  • 氏名としての使われ方

 

このブログでは、主に現在、氏名について書いていますので、

氏名での使い方について短くお話ししましょう。

元は、男子に使われていた「子」

小野妹子蘇我馬子中臣鎌子など、

当時の豪族など一部の政治的役割を担う人々に使われていました。

漢字が伝来し、意味合いも編纂され、名乗りが必要になった時、

「子」の文字の持つ歴史、「高貴な人」のイメージと、

「宿命性」が語られることから、有力者は好んでこの文字を名乗りました。

女性につけた「子」は、上流中流階級の人々で、

のちに、書の達人でもある嵯峨天皇が、

皇室の女性の名前についての整備を行った時に、

「女性の名前には「子」をつけよ。」

としたため、現在でも、内親王には「子」が用いられています。

明治以降、女性に実名が与えられるようになり、

「子」が使われるようになりましたが、

当初は「敬称」の意味で「子」が使われます。

「おまさ」「およう」「おきぬ」など、

江戸時代に丁寧な呼称として「お」が使われていたものが、

人への尊重の心も相まって、

「雅子」「洋子」「キヌ子」などのバリエーションが生まれました


一時期、「子」とつく名前が減少した時代がありましたが、

最近では、また人気が上がってきたと聞きます。

結びの文字、例えば、「夏目雅子」の「子」

「多岐川裕美」の「美」

杉本彩」の「彩」など。

ここに注目すると、

そのご両親、芸名であれば名付け親の価値観や、

生まれ生きてきた時代の背景を察することができるのも、

女性の名前の面白いところです。

昭和三十一年くらいまでは「子」がほとんどで、

昭和三十二年に「美」が出現し、

昭和四十八年頃から「織」や「香」、「穂」

昭和五十年から「彩」や「愛」など、一文字での結びが。

これが平成四年から十一年あたりまで人気を博し、

以降、植物に関する(菜、咲、さくら、など)名前の付け方が多くなります。


男性の場合、もちろん流行した名前も多くありますが、

親から受け継ぐ文字が多く影響しているのと、

女性と比べて使われる漢字の種類や、特殊な読み方がまだ多いので、

苗字と名前の関連性を読み解く方が面白い。

というのは、僕の考えです。

 

本日も長くなりましたが、

お読みいただいていつもありがとうございます。拝

 

◆◇「子」を含む名前における当ブログの過去参考記事◆◇

 

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