漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「最」の漢字 I love you the most in the world. 〜あなたが世界で一番好き。〜

 

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・「ほまれ」とは、戦利品の数のこと。

サイ(sai)、もっとも(mottomo)、とる(toru)、あつめる(atsumeru)

冃(ボウ)という字に取と書いて、最となっています。

これは頭巾をかぶせた姿で、取は戦利品を表しています。

戦利品が多ければ多いほど、

すぐれた武士ということなので、

その「ほまれ」を最と言います。

何が戦利品か、お分かりになっていただけますでしょうか。

イメージすると、こんな感じでしょうか。

 

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それで、「とる」とも読まれます。

 

また、「も」と読まれる、

「最中:もなか」「最上:もがみ」などは例外的な読み方で、

「もっとも」が省略されたもの。

日本のみで使われています。

※ 白川静 常用字解より引用

 

・でも、本当の「ほまれ」はどこにあるのか?

「勝ち取る」こととは、

対戦相手の存在する、

勝負ごとの結果として当てられる言葉と思われがちではありますが、

「克ち取る」と書かれることもあります。

特に漢字は、もともとあった意味合いから、

何度も何度も、幾つも幾つも、

変えたり、借りてきたり、その意味づけの範囲を広げて、

今日に至っている背景があります。

その時代時代の文化や、民俗的な雰囲気。

感じ方や、見方で、より豊かな表現を人々が求めてきた結果、

出来上がっているものです。

「勝ち取る」となると、勝負である事。

もちろん、それも含めて、

「克ち取る」という書き方をした場合、

その「克ち」はどこにあるのか。

それは、自分の中に求める事。

「克服」の「克(koku)」は、「よくする(良くする)」と読みます。

そう考えると、現代での「ほまれ」とは、

自分自身が自分の中にある「気にくわない自分」や「変えるべき自分」と、

戦った結果として、自分に与える戦利品の多さを言い、

その姿を「最」すなわち、「第一」と表すのではないかと考えています。

ただし、戦い方はいつでも、どこまでも自由です。

 

・そんな人を愛せると、自分のことも必ず愛せる。はず。

 

僕も、たくさんの人を好きになってきました。

けれども、うまくいかなかった理由はたった一つで、

自分自身を愛おしいとなかなか思えなかった。

こういう自分なんだから仕方がない。

でも、それはそうではなくって、それこそが、

自分と戦いきっていない証拠でもありました。

何かを「良くする」という生き方をしている人を見ると、

気分が悪くなる自分がいたこともあります。

性差問わず、恋愛問わず、

嫉妬心は、自分への自信のなさを物語るものです。

努力して、それをやめ、少しずつ棄ててゆく事にしてみると、

はじめはなんだかイライラするのですが、

心がざわつく事がだんだんなくなって、

一言で言うと、「楽に」なりました。

で、今では、そんな「良くする」努力をしている人こそが、

好きになれる人。です。

結局、「敵わない」という事を認める。という事が、

自分で「克ち取る」べきものだったのかもしれませんね。

 

「好きだ。」

己の内側から「好き」を掘り起こし、

無いはずであろうところから、

少しづつ、少しづつ、心を日々築き上げる、

その心の前進は、永遠です。

これを、「最愛」と言います。

 

そんな風に、誰かを好きになれたなら、

素敵ですよ。きっと。

 

→こちらは、こんな風に書きました。
 よろしければ、どうぞ。

 今日も、最後までお付き合いいただき、有難うございます。

 

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