漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「奮」の漢字 A spirit or energy that is full of fight. 〜物事を行うときのいさましい勢い〜

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・自由のために、戦いもがく姿

フン(fun)、ふるう(fru-u)、

はげむ(hage-mu)、いさましい(isa-mashii)と、読みます。

奪(ダツ:datsu)という字と元の字型が同じという説があり、

それは、田の上の部分が、「大いに飛ぶ」という意味を持っていて、
鳥を表します。

奮はそれが、田の上で飛び立つ姿で、

奪は寸(フックのようなもの)によってとらわれているので、

飛ぶ自由をうばわれている。

ということです。これに関しては、別の字も存在しますが、

ともかく自由を手に入れるために、

もがき、何度も自由へ挑戦する。

そこでこの文字は、いさましいとも読めるわけですね。

※ 白川静 常用字解より一部引用

 

・いつか観たかった自由の香り

僕が15歳の時、街で見かけた映画のポスター。
そのデザインとタイトルが、頭に焼き付いていはいたのですが、

今まで観ることができませんでした。

でも、ついに、そのタイミングがやってきました。

 


Cabaret 劇場予告

 

ハードボイルドって、こうだよね。角川映画ってこうだよね。

内容は、ジャズマンである青年が、ヤクザの親分に気に入られて、

最後はニューヨークに行く話。
ネタバレ回避のため(いや、解説が得意ではないだけ。)多くは語りませんが、

あの時眺めたポスターのイメージを裏切らない内容で、

懐かしい匂いが、サァァっと吹き抜けて行きました。

 

キャバレー

キャバレー

 

ポスターはちょっと違っていたのですが、雰囲気だけ。

 

劇中に登場したジュークボックスが、

過去に自分のお店で使っていたものと同型であった事、

個人的に思い入れの強い、俳優陣。

ストーリー。

そしてこの曲「Left Alone」。

そして、今日の出来事。

振り返ると符合することがいくつもあって、切なくもなって、

不思議な気持ちで観入ってしまった映画でした。

 

・とても個人的なことだけど

人の目には、やりたいことをやって、不自由なく生きているように見えるけれど、

不都合や情けない自分が起こしてしまった悲劇も腹に収めていなければ、

こんな生き方はきっとできません。

好きなように生きているように見えることを、

本当に自分が好きで今までやってきていたのか。

それは大いに違っていて、好きになろうと努力していただけ。

けれども、僕がいちばん好きなことは決まっている。

その、心底好きなことをやっていく覚悟が自分にあるのか。

どうしても、得体の知れない罪悪感や劣等感に後ろ髪引かれて、

僕にはわからなかったけれど、

ようやく自分の心の本当の姿を、

赤の他人に話すことによってはっきりと見えたような気がした一日でした。

 

「そう、こんな生き方が、俺はしたいんだよ。」

 

今を生きている自分を他人に認めて欲しいのではなく、

自分自身を自分で、明確に肯定したいのです。

そのためには、何かを奮い立たせなければならなかった。

そんな一日でした。

本当に個人的ですみません。

 

お読みいただき、ありがとうございます。

お付き合い、心から感謝いたします。

 

 


奮 Brave