漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

天真爛漫  Innocence

 

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・今日は、番外編。

もう直ぐ、この街に戻ってきて小さな仕事を始めてから六年が経とうとしています。

四年前の四月に書かせていただいた、ラーメン屋さんの看板です。

「ごぼう味噌ラーメン」が主力で、

ここのラーメンを食べると、大変お腹の調子が、僕は良くなります。

そんな繊維たっぷりのラーメン。

確か、お店のオープンまでに一年くらいでしょうか。

小さな空き店舗で、研究に研究を毎日毎日重ねていた社長と店長。

ラーメンって、そんなぱっぱと作ってさっさと売れるもんじゃないんだなぁ。

と、様子を伺うたびに感服していたものです。

なんでもそうなのだと思う。と言うより、

今は、そうであってほしいし、

待つことを楽しみ、許せる世の中であってほしいな。

とも、最近は感じている。

年を重ねるとは、こういうことなのかもしれません。

 

僕の知る限り、

オープン以降も、

大変な日々の繰り返しであったと察しています。

ラーメンの次は、集客。

集客の後は労働力の確保。

確保の次は安定。

このような今ですから、お客様の声はすぐに伝播します。

良くも悪くも。

その中でも、不確かであったり、どこまでも主観的であったり、

もしくは悪意を持っていたり。

 

もちろん、指摘は真摯に受け止めれば、改善の糧となるでしょう。

しかし、

美味しいもの。と言うのは、元来、「その人にとって。」

と言う立ち位置であるはずだけど、いつの間にか、

美味しいものを知っている人=素晴らしい人

となって、人物評価の道具のようにもなってしまった。

もちろん、それを共有できるということは素敵なこと。

でも、100人が100人うまいと言えるものって、

僕の知る限り見当たりません。し、

そこを目指す必要は、全くありません。

そんな食社会は、つまらない。

100人の中の10人前後が、惚れ込んであしげく何度も通ってくれればいい。

極端ですが、姿勢の起点はそこだと思います。

 

「生業」と言う戦場で戦い抜こうとしている事業主の方から、

ご依頼を賜るたびに、自分はどのような気持ちでそれを書けばいいのか。

とても苦悩します。

でも、一緒に「生業の佇まい」を考えることができる。

それが僕の喜びでもあります。

 

今日もお読みいただき、ありがとうございます。


天真爛漫 書 制作記録 【BGM:101 Eastbound/Nathan East】