漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「父」の漢字 father

 

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フ(fu)、ホ(ho)、ちち(chichi)

この文字の元は、斧の形なのですが、

木を切る斧ではなく、儀礼に使われた斧で、

その頭部を手で持つ形が、「父」となり、

権威を持つ人、指揮をとる人。という意味で、

家庭にあっては、子を指揮する意味で、「父」に用います。

また、父子を越え、男子を尊敬していう言葉でも、「父」と使い、

生み出した人、開拓した人も、「父」と、我が国では表します。

 

 

「父」の個性

youtu.be

小学校二年生で学習する、四画の文字で、部首は「ちち」

この文字を美しく描くコツですが、

正方形をイメージして収まるように書けるといいですね。

一画目から二画目への筆の旋回三画目から四画目への旋回と右祓い。

この字をしっかり書けると、

他の文字も上手になるのが早くなりますよ!

 

父とは、背中で語る生き物。

僕は、まだ父親になったことがありません。

いい歳して何やってんだ。

と、会うたびに心配と小言を連発していた叔父も、

去年、この世を去りました。

まあ、うるさく言われて、はいはい。と嫁をもらう僕であれば、

とっくの昔にいただいているのですが、

そういう生き方を望むような質(たち)ではない。ということです。

けれども、もっと大きな理由が僕にはあるのです。

単純なことではあるのですが、

「父」のような「父」になる自信が僕にはない。

ということがその一つ。

 

僕の父は、不器用な人です。

そして、海よりも深いであろう、母への愛を備えた人です。

幼い頃から、子よりも妻。というスタイルを貫いている人で、

どんなにお母ちゃんには内緒ね。と言っても、五分後には筒抜けになってしまうほど、

隠し事のできない人で、そんな父がかわいい人だな。と、

思えるようになったのは、ここ十年ほどのことです。

かわいい。と思えるのは、その真逆に、

「負けた姿」を幾度となく、見せてくれた。そんな父だから。

負けても、負けても、それでも、彼として生きている日々の姿が、

僕の誇りでもあるのです。

たくさんの心配や苦労もかけたし、

大の大人の男を泣かせてしまったことも何度かあります。

 

多分、家庭を持ち、父になれば、

また、向き合い方も変わってくるのだとも思いますが、

まだまだ先の、、、いや、それはないのかもしれない。

ということが、申し訳ないな。とは思っています。

 

もう一つの理由は、

僕の周囲の「父たち」。

当然、この歳ですから、家庭を持って暮らしている、同級生、友人も多く、

彼らと話をするたびに、その「父らしさ」を感じさせられます。

結婚して、帰る場所があって、家庭があって羨ましいな。

と思ったことは一度もありません。

僕にとっては、もし、まかり間違って家庭を持った時に、

いろいろと相談できる人が多くて、幸せだと僕は思っています。

 

それから、

教室の子供たちでしょうかね。

父ではない分、彼らを見ていると、自分のことはまあいいな。

と思ってしまいます。

 

僕が、父の背中を見てきたように、

子供は、大人の背中を眺めて生きてゆきます。

その背中が、何を語るのか。

成功も、失敗も。

華やかさも、貧しさも。

誇らしさも、情けなさも。

全てを語ることのできる背中であるか。

語るとは、言葉と、それを超越した事実の両方が宿るもの。

僕は、父と父たちの背中からそれを学んでいる最中です。

 

今日も遅い時間の更新になりましたが、

お読みくださり、ありがとうございます。拝