漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「義」の漢字 interpret the meaning 〜義を解する〜

 

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ギ(gi)、ただしい(tadashii)、よい(yoi)、よし(yoshi)

 

羊と我を組み合わせて、意味を含ませた会意文字。

義のつく文字の多くは、「いけにえ」を備える儀式的な背景があります。

その元になっている「義」が、よい、ただしいという意味を持っているのは、

いけにえの「品質」によるもので、

毛並みから、蹄(ひづめ)の先まで、完璧である。

ということを、「我(ノコギリ)」を使ってくまなく調べた結果、

「間違いなし」とされることを「義」といい、

のちに、根拠、証言、行為、形跡などの核を表す言葉になりました。

「いけにえ」には、「羊」が多く使われていましたが、

牛を使うときは「犠」となり、牛のいけにえは最も重要であることから、

この「犠」が作られ、豚などものちに、これに含まれます。

白川静 常用字解より一部引用

 

「義」の個性

 

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小学校五年生で学習する、十三画の文字で、部首は「ひつじ」

今回は、風合いを出すために少ない墨で、

しっかりと半紙に含ませることを意識して書いています。

こうすると、筆のスピードによって、リズムが作られ、

かすれが生じ、人間味が出て生々しくなります。

うまいこと書くコツは、

なるべく、「羊」と「我」の間を意図的に詰めて書くことです。

間が空くと、隙が入って、スッカスカになります。

四角くイメージして、みっちり感が出るとよいです。

難しいのは、十一画目の「ニューん」と右に伸びるところ。

跳ねるときに、筆やペン自体の角度を変えないで、

そのまま上に突き上げる感じにすると、うまくいきますよ。

 

自分の正義が、誰かと同じ正義だとは限らない。

「義」の成り立ちをお話ししてゆく中で、

多分お気づきだとは思いますが、

「正」と「義」は別物であるということがわかります。

「正」とは、進むべき道のことであり、

「義」とは、そのエビデンスを示しています。

  1. 自分が正しいと思えることを考える
  2. 正しいと思える方向へ歩く
  3. 好ましい結果を手にする

 

単純なんだけど、これが難しい。

人と関わって、社会の中にいる以上、そうはいきません。

けれども、

そうはいかない。

とわかっているだけでもいいかな。と思っています。

そうすることで、「他人様の事情」を織り込むゆとりが生まれてくるからです。

最初っから諦めるということとは違うし、

ハナから疑うということでもなく、

「正義」とは、自分だけがまずは心で信じていること。

を指すのですから、その相違があって当たり前ということです。

もしも、「好ましい結果」を手に入れることができたなら、

「有り難い」。とつぶやけばいいのです。

一つ一つが難しく複雑に関わっている中で、

いい結果を得られる出来事というのは、

このような経緯を見ても、

そこに有るということが、甚だ難しい。

「義」とは、他人様の経緯を含んで、初めて「義」なのでしょう。

 

 

なんて、偉そうなこと言ってますけどね。

そんな自分に、死ぬまでには、なって行きたいものです。

 

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本当は、「正義」の扇子の動画が欲しかったのですが、

無いし、こっちが面白かったので。

 

本日もお立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。拝