漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「晃」の漢字 become clear 〜晃蕩(こうとう)〜名があきらかにすること

 

f:id:hokushin_myouken:20180511141903j:plain

コウ(kou)、あき(aki)、あきらか(akiraka)、ひかる(hikaru)

 

日と光を合わせて、意味づけした会意文字。

日は、太陽の形で、日光が輝いて、降り注ぐ様子が「晃」。

明るく、明確で広々としている様子を「晃蕩(こうとう)」と言います。


「晃」の個性

youtu.be
人名漢字で、十画の構成です。部首は「ひ」

この文字を上手に仕上げるポイントは、

「日」と「光」、上下のバランスです。

では、どのように収めるかというと、

「光」を書くときに、「日」の横幅を確認します。

「日」の四画目を基準に、光の三画目までを、

中心、左、右と、「日」四画目の両端を支えるように撃ってゆきます。

十画目が難関ですが、直角に近い状態で、

それでいて滑らかに。

広げすぎず、縮まりすぎずに仕上げると良い字になります。

ちなみに、「札幌」の「幌」にもこの字が入っていますが、

筆耕士泣かせの難しい文字として有名です。

 

ひらける視界

 

f:id:hokushin_myouken:20180511125608j:plain

 

今日の札幌は、気温もちょうどよく、穏やかな金曜日です。

駅前で講義があったので、買い物ついでにぶらぶらしてきました。

ブログを書いていて、良いことというのは、

普段やらないことをやってみたり、

普段行かない場所へ行ってみようという気になることです。

「ネタ」は尽きてきますが、感じ方は尽きることがないし、

何より、今日はこれを書こうと決めているときには、

関連性のあるであろうところへ、自ら出向くようになります。

天候さえ、許せば。

札幌は、一年のほとんどが。と言ってもいいくらい、

暖かくて清々しい日の少ない街です。

僕のような人間は、ついつい引きこもりがちになってしまい、

どんどん視野が狭まってゆくのが、実感としてわかります。

なので、そんなこと関係なく、一年中誰かに会い、どこかへ行き、

いろいろなものの見方や、考え方を吸収できる人を羨ましく思えるし、

僕もそうなってゆきたいな。と願っています。

さて、

この四日間に渡って、例に漏れず1文字ずつ書いておりますが、

しばらくの間、「人名」に絞って、

意味や成り立ちを紐解いて行こうと思っています。

全国には、いろんなお名前の方々がおられます。

僕も、おかげさまでたまに、命名書のご依頼や、

命名そのものを承ることがあります。

命名そのものを承るときに、字画についての質問が多く寄せられますが、

僕も興味があって、勉強させていただいた時期もあったのですが、

とどのつまり、

「関係ないね。」

というのが、僕の結論であり、

一文字一文字に、どのような親の思いを込めて、

のちに子の「どうしてこの名前にしたの〜?」という、

必ず投げかけられる質問に対して、

説得力を持ち、心から子供が納得できる話ができるか。

これが一番大事である。

というのが僕の持論です。

かといって、姓名判断を真っ向から否定しているわけでもありません。

もちろん、漢字の一画一画には「卦(ケ)」が存在しますから、

人生や性格との関連性も大いにあるだろうとは思っています。

でも、「聞いた感じがいいから。」

とか、「字画がいいから。」

とか、「自分の好きなキャラクターを名前にしてみた。

、、、それじゃぁ、あんまりですよ。お父さん、お母さん。

子は、人生に迷って、何かを失って、最終的に何を頼りに歩みを進めるのか。

そんな風にならないことが一番いいことですが、

そうなった時に、拠り所にするべきは自分自身であるし、

導(しるべ)や、ヒントになるのは、

まさに、その「名前」なのです。

これは、実体験からお話ししています。

 

僕は、名前は「作品」だと思っています。

これが、「美」の域まで昇華できたら、なんかこう、

もうちょっと豊かになるんじゃないかとも思って、

これまで文字を書いてきました。

それは、僕の作品が生まれる要素の九割は、

人との巡り会いによるものだからです。

名前を書かせていただくとき、

本当にありがたい気持ちになるのです。

 

かっこいい芸術的な書も、当然素晴らしいし、

僕も腕を磨いて、もっと書いて行きたいと思うけれど、

人の名前を一点一画、丁寧に扱わせていただくということも、

僕の中では芸術そのものなのです。

 

どうか、ご自身のお名前、大切にしてください。

 

今日もお読みいただき、ありがとうございます。拝