「崎」の漢字 small peninsula
キ(ki)、さき(saki)、けわしい(kewashii)、みさき(misaki)
イメージと読みの音を合わせた、形声文字です。
音の元になっているのは「奇(キ)」。
「奇」は、「かたよる、不安定なもの。」という意味と、
「すぐれる、ぬきんでる」という意味を持っています。
「崎」の場合、海に対して陸の部分が突出しているものを、示しています。
「岬」、「埼」、「碕」も同様の意味を持つことから、
文脈や、経緯を踏まえてこの文字が使い分けられたと考えられます。
日本の漢字解釈と用法はこういった、全体を形づくる事象から、
文字を選んだり、「峠」のように、独自に作ったりということが、
度々行われてきています。
これは、柔軟で、繊細な民族性であることの表れでもあります。
また、こういうこともあります。
「崎」と「﨑」の違いです。
この違いは、活字に起こした場合、大変気づきにくい違いでもありますね。
氏名は、その人そのものを表すので、
間違うとちょっと厄介なことが起こったりします。
芸能関係の方の場合、この経緯を見た限りでの憶測にすぎませんが、
おそらく「字画」の関係だと察しています。
「崎」が十一画で、「﨑」が十二画。
結婚することによって、イメージが変わるのはもちろんのことですが、
相手方との相性を見ながら、仕事の良い巡り合わせも求める。
となると、こういった要件も視野に入れて改名することもあるでしょう。
ちなみに、「﨑」は、違いを判別するために「たつざき」と読まれます。
漢字の解釈議論は、未だに根深くて、
辞書によって全く違ったりすることも多いのです。
「大」の解釈が「立っているのか」、はたまた全く別の出処なのか。
ある解説には、「奇」の元は「口」をなくしたもので、
曲がった刀を表している。ともあります。
なので、立っていることととは関係ない。とか。
書道の文献では、「大」が隷書として先に表れ、
文字が楷書、行書、草書の技法になるにつれ、
「立」が「フニャ。」っとなって、
「大」のように見えてきています。
何れにしても、
長く長く、変化を加えて、表現の落とし所を探ってきたのですね。
「崎」の個性
常用漢字で、2020年から小学校四年生で学習する、
十一画の構成。部首は「やまへん」です。
山はあまり大きく書かず、小さく細長く収めましょう。
四画目は一画目の高さに合わせて、キュッと短く引きます。
七画目は、三画目の真上から長めに引くと、バランスがよくなります。
口は控えめに。
最後の十一画目は、動画では丸め込むように引いていますが、
楷書でしっかり書く場合には、
イメージは包み込むことを思い、筆は、まっすぐ引きます。
包み込む雰囲気は、最後の跳ねで形作ります。
では、今日はこの辺で。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。拝