漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「崎」の漢字 small peninsula

 

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キ(ki)、さき(saki)、けわしい(kewashii)、みさき(misaki)

イメージと読みの音を合わせた、形声文字です。

音の元になっているのは「奇(キ)」

「奇」は、「かたよる、不安定なもの。」という意味と、

「すぐれる、ぬきんでる」という意味を持っています。

「崎」の場合、海に対して陸の部分が突出しているものを、示しています。

「岬」、「埼」、「碕」も同様の意味を持つことから、

文脈や、経緯を踏まえてこの文字が使い分けられたと考えられます。

 

日本の漢字解釈と用法はこういった、全体を形づくる事象から、

文字を選んだり、「峠」のように、独自に作ったりということが、

度々行われてきています。

これは、柔軟で、繊細な民族性であることの表れでもあります。

 

また、こういうこともあります。

buzz-plus.com

「崎」「﨑」の違いです。

この違いは、活字に起こした場合、大変気づきにくい違いでもありますね。

氏名は、その人そのものを表すので、

間違うとちょっと厄介なことが起こったりします。

 

芸能関係の方の場合、この経緯を見た限りでの憶測にすぎませんが、

おそらく「字画」の関係だと察しています。

「崎」が十一画で、「﨑」が十二画。

結婚することによって、イメージが変わるのはもちろんのことですが、

相手方との相性を見ながら、仕事の良い巡り合わせも求める。

となると、こういった要件も視野に入れて改名することもあるでしょう。

ちなみに、「﨑」は、違いを判別するために「たつざき」と読まれます。

 

漢字の解釈議論は、未だに根深くて、

辞書によって全く違ったりすることも多いのです。

「大」の解釈が「立っているのか」、はたまた全く別の出処なのか。

ある解説には、「奇」の元は「口」をなくしたもので、

曲がった刀を表している。ともあります。

なので、立っていることととは関係ない。とか。

書道の文献では、「大」が隷書として先に表れ、

文字が楷書、行書、草書の技法になるにつれ、

「立」が「フニャ。」っとなって、

「大」のように見えてきています。

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何れにしても、

長く長く、変化を加えて、表現の落とし所を探ってきたのですね。

 

「崎」の個性

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常用漢字で、2020年から小学校四年生で学習する、

十一画の構成。部首は「やまへん」です。

山はあまり大きく書かず、小さく細長く収めましょう

四画目は一画目の高さに合わせて、キュッと短く引きます。

七画目は、三画目の真上から長めに引くと、バランスがよくなります。

口は控えめに。

最後の十一画目は、動画では丸め込むように引いていますが、

楷書でしっかり書く場合には、

イメージは包み込むことを思い、筆は、まっすぐ引きます。

包み込む雰囲気は、最後の跳ねで形作ります

 

 

では、今日はこの辺で。

本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。拝