漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「亜」の漢字 sub

 

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ア(a)、つぐ(tsugu) 

 形が文字になった、象形文字です。

「亜」の元になった形は、旧字体の方がわかりやすいですね。

「亞」。

 

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これはごく一部。もっとたくさんあります。

その理由は、士族の紋章が元になっているからで、

外側の四角い部分は、自分が仕えていた士族の墓室を示していて、

中は、士族の名前です。

このように、士族の名を自分の印として使えるのは、

有力な人の側近であって、しかも、相応の力があったことから、

「亜職」と言います。

そこで、「亜」は、「つぐ、第二の」という意味となります。

さて、外側の四角の角が削られていますが。

この理由は、四角には悪霊が棲みつくと考えられていたからで、

風水という学問が体系化されるもっと前から、

文字に表されていました。

 

「亜」の個性

youtu.be

 

常用漢字。七画で構成される文字です。

部首は「二」

部首が主張されるように書くと、

はっきりと文字の意図が伝わりやすいので、

楷書では、平行に書くのが良いでしょう。

シンメトリーになるように意識します。

毛筆、ペン字にかかわらず、このタイプの文字は、

横に走る線を、同じ角度と、ほぼ均等な間隔で書くと、

落ち着いた雰囲気になります。

 

ふたつの意味

言葉は、捉える角度によって、伝わり方が変わります。

もちろん、会話によって伝える場合には、

声音、イントネーションの影響も受けるし、

面談の場合には、表情や仕草によっても大きく違いが出てきます。

五感を用いた情報量が断然違うのですが、それ以上に、

伝わる速度の違いとも言えます。

漢字は、長い時間を費やして、

「どう書いたら伝わるかなぁ。」

という「悩み」の結晶であると、僕は捉えています。

 

例えば、この「亞」にしても、

「つぐ」という意味合いから考えると、

「二番手」「参謀」「内助の」といったイメージですが、

もう少し掘り下げると、

もっと前の成り立ちから、

「魔を避ける」。

先ほどの四隅を削ったことを考えると、

大変、ありがたく、何かのご加護を得ているようなイメージも、

持つことができます。

 

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写真は、京都の猿が辻ですが、

鬼門除けのために削られているそうです。

「亞」には、どうやら、

四方からやってくる災いを跳ね返してくれる。

そういった字力が宿った文字でもあります。


水曜日は特に、遅い更新になってしまい、すみません。

本日もお立ち寄りくださり、誠にありがとうございます。

どうか明日も良い一日となられますように。拝