漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「衣」の漢字 food, clothing, and shelter 〜衣、食、住〜

 

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イ( i )、エ( e )、ころも(koromo)、きる(kiru)

襟元を合わせた、衣服の形が文字になった、象形文字です。

日本では、右手が懐に入るよう

左の襟を外側にして和服を着る(右前)のですが、

この字の元は、右の襟を外側(左前)に出しているものが多いです。

我が国では、これを「逆さごと」の一つとされています。

 

衣とつく漢字が幾つかありますが、

例えば、「依(よ-る)」という漢字は、より添うことを示し、

「襲(しゅう)」は、「おそう」と読まれますが、

目的が明確で、地位の継承のために攻撃することをいい、

別の読み方で「つぐ、うけつぐ」と読まれます。

「襲」の場合、重ね着していた衣に「龍」の模様が入っていたので、

この文字になりました。

どんな衣かと言うと、

地位、領地継承のために襲った相手が着ていたもので、

これに、その強い霊(たましい)が宿っていると信じられていたためで、

「依」は、霊(たましい)が衣に宿ってそばにいる。と言う意味合いです。

古代では、このたましいが自分を守ってくれると信じられていたのと、

衣服を作るのに、材料も限られ、時間も手間もかかるのと、

Amazonユニクロもなかったから、誰かが着ていた服を着るしかない。

という背景からです。

「お下がり」の意味は、これが日本独特の表現になり、

元は、仏神へのお供物をいただくことで、ここに、

仏神のたましいが宿っていて、

それをいただくことが御利益になるという考えから、

本来は、「ありがたさ」を表現するために、

「お古」を「お下がり」と言うようになりました。

 

また、我が国では、ひらがなの「え」の元になった漢字です。

 

「衣」の個性

youtu.be

 

小学校四年生で学習する、六画の常用漢字

部首は「ころも」

動画は、二画目、三画目を連続的に書いていますが、

楷書の場合、一画目の点の真下に三画目の起筆が来るように、

左へ向かって滑らかに引きます。

四画目の起筆は、三画目の線の距離を見て

中心から垂直にひきおろします

五画目二画目の収筆の真下から四画目の跳ねのきっ先に向かって、

シュッと引きます。

六画目。楷書の場合は、

一、二、三画目が交差している場所からゆっくり引き、

右に祓います。

 

キルクウネル

 

だいぶ、穏やかな気候になってきた札幌ではありますが、

風が時折冷たく、日が沈むと、ちょっと寒く感じます。

この時期の札幌は、本当に着るものに困るのですが、

着ないと出歩けないので、ファッションセンス云々言わず、

そこらへんにあるものを、つぎはぎのように着込んで出かけています。

 

日常的に、着るものについてあまり意識が向かない僕ではありますが、

今日、この記事を書いていて、つくづく、

着るものがあるって、ご飯を食べれるくらい、寝る場所があるくらい、

ありがたいことなんだな。と、感じています。

現代を考えると、裸では当然タイーホされてしまいますから、

着るものがなければ、人に会うことも、仕事にもいけません。

飯が食えない、ライフラインが不備である。といったことよりも、

生活や活動において優先されることで、

しかも、服を着ていることそのものが、

今はあまりにも普通すぎて、価値の認識が低かったことを反省しています。

 

人は、見た目とは言いますが、

恵まれていて、豊かな環境であるからこそ、言えること。

若い頃、ちょーしこいて、いい服ばかりを物色していた頃がありました。

他人によく見られたいという気持ちが、慢性的に強かったからです。

だけど、ある時親父に、

「お前、そのスーツ、着てるのか着られてるのかわかんねぇな。」

と言われた時、頭にきましたが、

少し時間が経って、状況が一変した時に、

「全くだな。」

と頷いたものです。

 

もちろん、マナーとして、衣服を選ぶことは大事。

服は、不思議と、着るべき自分を選んで目の前にやってくるものです。

好きな服と、似合う服は違う。

というのは、そういうこともあるのかもしれません。

 

今日もちょっと長くなってしまいました。

お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。拝

 

 

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追記 お向かいのお寺の境内。藤の花が美しいです。