漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「璃」の漢字 ultramarine 〜瑠璃色〜

 

 

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リ(ri)、たま(tama)、るり(ruri

 

 

読みの文字で作られた、形声文字です。

この一文字で、「瑠璃(るり)」を表しました。

 

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紫がかった青色の鉱物で、透明なものを「玻璃」。

ガラスのことをいいます。

「离(リ)」が読みの元になっていますが、

この文字は、「山神」を表しています。

「山神」がもたらしてくれる美しい鉱物。ということで、

以前の文字は、「王」ではなく「玉」でした。

 

「璃」の個性

 

youtu.be

中学生で学習する常用漢字です。

十五画で構成されています。部首は「おうへん」。見出しは「玉」

動画では、わかりやすいように、

行書の運筆と、楷書の運筆と混ぜていますが、

原則的には、このように書いてはいけません

「王」は、全体の3分の1程度の幅で抑えます。

「离」は、六画目に当たる線を一画目の横棒に高さを合わせます。

七、八画目を描くときは、五画目の真下に交差点が来るように書きます。

また、十三画目の起筆も、この延長線状に下ろしたところから書き始めます。

こうすることで、「离」の重心がぶれることがないので、

美しくなります。

 

七つの宝

 

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七宝焼きという焼き物があります。

宝石を材料にしているからという説と、

仏典に登場する、七つの宝のように美しいから。

という説があります。

この七つの宝のように、仏の教えは貴重である

ということはもちろんではありますが、

逆に七宝の牢獄という表現をなされた文言もあります。

眩しく、きらびやかに装飾された楼閣に囲まれた、

一見豊かになんでもあるように見えるけれども、

実は、そのきらびやかさに縛られて、

自由が効かなくなることもある

この表現をきくと、お釈迦様の説かれた教えそのものにも縛られてはいけない。

と、解釈され、貴重な教えであるはずのものが否定されている。

矛盾してるじゃないか

と、思われがちですが、

維摩経というお経では、お釈迦様の教えを真っ向から否定する、

維摩尊者という賢者が登場して、お釈迦様のお弟子さんたちを徹底的に論破します。

ですが、その真意は、、、。

なかなか読み応えのある経典です。

 

 

『維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著)

『維摩経』 2017年6月 (100分 de 名著)

 

 

さて、話はずれまくってしまいましたが、

「瑠璃」は、ラピスラズリ」のことを、現代では言います。

ちょっと似たもので、

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こんなのもあります。

アイヌ玉」といわれる、美しい鉱石です。

「瑠璃」そのものがなんだったのかは、ぼんやりしていて、

そもそも、「瑠璃」は「吠瑠璃(べいるり)」といい、

サンスクリット語のお経を音訳したものですから、

石を示したのか、色を示したのかは定かではありません。

しかし、この色合いには、聖なるものが宿ると言われています。

誰しも、ぽつんと一人になれば、

なにかを反省したり、後悔したり。

例えば、愚痴りがちだとか、ついつい悪口を言ってしまったとか。

そんなモヤモヤを自分で生んでしまうことがあります。

石や仏像が自分に何かしてくれるということは、

僕は無いと思っています。

ですが、近くにあるだけで、自分の心の内側にこびりついてしまっていて、

いつしかそれが自分を苦しめる要因になっている。

でも、時が経つと、それがなんだかさっぱりわからない。

それに気づかせてくれるものが、一つはあってもいいんじゃないのかな。

と、捉えています。

 

今日も長くなりましたが、

お立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。

どうか、よい週末をお過ごしくださいませ。拝