漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「緑」の漢字 ever green 〜不朽であること〜

 

 

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リョク(ryoku)、ロク(roku)、みどり(midori)

もとは「綠」と書きます。

この字は、読みの「彔(ロク)」からきていて、

糸偏がついているのは、

「衣」の色を表したからです。

青と黄色の間の色。という表現が、中国の古い文献には見られます。

 

「緑」の個性

youtu.be

小学校三年生で学習する、十四画の文字で、

部首は「いとへん」

糸偏は、楷書、行書共に、たたみこむように書いて行きます。

あまり余裕を持たせて書くと、

糸そのものの表現からは離れてしまうので、

みちっとした感じで書けると良いですね。

糸偏に対して、右の部分は段差をつけて下気味に書きます。

一画目と二画目の真ん中あたりから10度右上を狙って書くと、

立体的になります。
横に走る線は、平行になるように引きましょう。

最後の部分は、「水」にならないように。

 

不朽

 

朽ちることがない。

人は、大昔からこの奇跡を求めていました。

けれども、対極的な現実として、変わらないものは何一つないし、

そもそも人は老いてゆく生き物であるから、

存在そのものが不朽であるのは、不可能である。

と、説かれています。

それを知っているからこそでしょうか。

なにかを生み出し、それが未来永劫、変わらぬ姿で存在し続けることを望んだ結果、

「芸術」というものが出来上がったのだと思われます。

芸術に限らず、生業や営みさえ、その希望を委ねる手段にもなりました。

 

たしかに、不朽であることとは、人類がこの地球上に存在している限り語り継がれ、

残され、変わることのない感動を未来の人々に与え続けるもの。

作家の端くれである僕にも、その希望は当然あり、

ごく稀に、制作の途中でそんな希望を持つことがあります。

でも、その作品がその先どうなってゆくのか。

ということを強く意識したり想像したりということはありません。

それよりは、一生のうちに、自分がある程度恥じない作品を、

何作生み出してゆけるであろうか。

そんな思いに耽ることが多々あり、

そのぼんやりした思いが、かえって、探求への強い原動力になってゆきます。

量産性とは、ちょっと意味合いが違うのですが、

ともかく、未来に向けて、僕が生きた証として遺せるのが、

今のところ創作でしかないので、日々書き続けるしかないな。

と、思うわけです。

 

作品がお金を生んでくれるという芸術家は、

書に限らず、音楽にしても絵画にしても、

舞台芸術にしても、極めて稀で、

だからといって、なにかが特別であると意識している人も、

僕の知る限り、多くはありません。

ただただ、ひたすらに好き。

それだけの心と引き換えに、いろんなものをあっさり捨てられてしまう。

それが、作品と共に語り継がれてゆく。

不朽とは、すなわち生き様のことなのかもしれませんね。

 

本日もお読みいただき、誠にありがとうございます。

出先からなので、読みにくい構成を、

お許しください。拝

 

◇「緑」を含む名前における当ブログの過去参考記事◆ 

 

 

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