漢字バカ200撰

漢字が好きなので、書と漢字の成り立ちから話を広げるブログ。広がらない時は、別のことを。

「克」の漢字  the spirit of self‐denial 〜克己心〜

 

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コク(koku)、よくする(yoku-suru)、かつ(katsu)

元は、取っ手のついた彫刻刀の形です。

これがまた、かっこいい。

 

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これです。

上に、取っ手が付いていて、

下が、ひゅるっと鋭利に曲がっています。

先日の、

 

www.hokushin-myouken.com

 に登場した、「彔」が、近い文字なのですが、

キリのようにもみ込んで木を刻み、木片が飛び散ったのが「彔」で、

そこから深く掘り進むのに使うのが「克」

これを使うと、容易に作業が進むことから、

困難なことを知恵や方法で解決を考えることで、

「よくする、かつ」

と、読みます。

そんな、象形文字

「克」の個性

youtu.be

 

常用漢字で、七画の構成です。

部首は、「ひとあし」。

「ひとあし」は下の二画ですね。

行書を見ても、柔らかい感じで描かれている資料は少なく、

それほどに力強い意味がこもった文字ですから、

一画ずつ、しっかりと引くことが大切です。

ポイントはやはり「ひとあし」なのですが、

六画目と七画目の高さを揃えましょう。

あまり高みが付いていないと、しっくりこない文字です。

 

克己心

「自分を超える。」

その心を指します。

「頑張る。」

という言葉とはちょっと違っていて、

あくまで、自分の内側に向かってそのエネルギーが注がれていることで、

「邪念や、欲望に打ち勝つこと。」

こう言うと、少しわかりやすいかもしれません。

 

己にうち克つ。

「自分は、頑張って、自分に勝ちます。」

と、発言すると、この意味からは外れることになります。

「へそのあたりで考える。」

と、言うことです。とても難解ですね。

よく、「腹をくくる」「肝が座っている」と言う言葉を耳にしませんか?

「腸をくくる」と表現すると、ドイツ料理の工程のように聞こえ、

「肝臓が座っている」と表現すると、酒に強そうですね。

このような言葉が日本語にはたくさんあります。

部位を表しながら、ニュアンスとして心持ちを示す。

考えるのは、頭なのですが、氣をへそのあたりに持ってきて、

深く考える。

全体の状態を把握するためには、

ちょっと遠くから眺めるのが、良い方法です。

「へそ」は、いつも「脳」を観ている。

要するに、深いところで、自分を見つめ問いかけ、行動を促す。

その成果として、自分自身だけが知る弱点を消し去って行く。

もちろん、その弱点に気づくには、

他人様との関わり合いが不可欠です。

弱点がない。ということは、他人様と関わったことがない。

と言ってもいいくらい、これは、他人様から教わることです。

弱点を知るのは、怖いことです。

特に、他人様から指摘されることは、気が滅入ってしまうこともあります。

けれども、苦言を呈されるくらい、近い関係が築けるあなたは、

とても魅力がある人だからこそ。

そう思うためには、「苦言」なのか、「ただの文句」なのか、

「相手の思い込み」なのか。

これを判断しないと、とても辛くなりますが、

まずは、耳を傾け、へそのあたりが疼いたら、それは「苦言」。

胸のあたりが、オエっとなるようだったら、「ただの文句」。

体は、正直にできています。

頭にくることの多い浮世ではありますが、

もし、自分の望む自分が、

自分の心と体の繋がった深い場所に存在するならば、

頭に置いとかないで、体で消化してみるのも、

悪くはないと、僕は考えています。

飲み込む。というだけで、

小さな「克服」となるのですから。

 

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どうか、良い夢を。拝